ダブルクロスのススメ

夏以降でサプリが出るようです●ハートレスメモリー電子書籍化決定!●SSSの第4弾ラウンドアバウトが1月下旬発売されました!【更新履歴】●4/18ガード記事にカウンターダメージエフェクトを追記●4/2賢者の石記事にオーバードーズキャラ追加●2/21サイレン記事に雷鳴の申し子を追加●1/20賢者の石記事にキャラ追加●1/17奈落の法則記事にウロボロスを追加●1/1GMのコツと遊ぶコツの記事にTweetを追加●12/7ボスエネミーデータ記事に1ラウンド戦について加筆●12/3アイテムアーカイブのサイレントエラッ

【23.12.7加筆】ボス・エネミーデータとその運用@TRPGダブルクロス

 
使いやすくて必要十分なエネミーデータを、ザコ・中堅・ボスと、3例ほど例示してみたいと思います。

ルールブックのエネミーデータを見ると、結構ゴチャゴチャ記入があって、運用するのがかなり面倒に感じますが、実際はあれほど事細かにデータを決めなくても戦闘が回せます。

ちなみに、ダブルクロスのPCは同じ経験点で作られていても戦闘力がまるで違う事になるので、「経験点150の四人パーティーだから、これくらいのコスト(経験点)でボスを作る」みたいな計算は全く出来ませんし、やる必要もありません。
(基本ルールブック1のp316とかp326辺りを参照の事)



 

●デザインコンセプト

紹介するデータの基本コンセプトは以下の通りです。

>各パラメーターは管理しやすいように5点刻みで設定しています。使いなれれば、殆どデータを見なくても運用できるようになります。

>ドッジはエネミーエフェクトの《イベイジョン》を使っていることにして、固定値を使います。

>データだけ先に決めて、シンドロームやエフェクトは後付けで構いません。決めるにしても「《獣の力》その他で攻撃~」でオーケーです。

>クリティカル処理が手間なので、コンセントレイトは不要です。

>射程距離だけ、メイン攻撃によって変えます。
白兵0m・射撃20m・RC視界…といった具合です。

>個性を付けるなら、バッドステータス付与を持たせると良いです。

>装甲やガードの設定は運用上全く不要なのですが、装甲無視やガード無視エフェクトにリソースを割いているPCにアドバンテージを感じてもらう為に設定しているものです。

>ボス以外には装甲ガード無視は持たせないようにします。上記と同様に、防具やガードエフェクトにリソースを割いているPCにアドバンテージを感じてもらう為です。


>エネミーの各種判定は、期待値を出しておけば、GMはダイス判定の手間を省く事が可能です。

PCはエネミーのドッジ期待値を目標値として攻撃判定を行ったり、攻撃期待値を目標値にしてドッジ判定を行ってもらう事になります。

攻撃力(ダメージ)はそのまま適用しても良いですが、5を引いてから1Dを足すなどしてランダムにしたほうが、それっぽくなります。

こういった期待値は【】で記載してありますのでぜひご利用下さい。
(ダイスの数をキリ良くするために、期待値として見ると半端な数字が出ていますので、適当に四捨五入などして使ってもらえればよろしいです。)



◆ザコ

行動値5
HP15
攻撃判定 5D/クリティカル10 【11】
ドッジ【10】
攻撃力5 【16】

一撃で倒せて、攻撃を受けてもかすり傷~という性能です。これでも《リザレクト》やタイタス復活の後に攻撃が来ると、なかなかの驚異となります。

ミドル戦闘で出してとりあえずPCに手傷を負わせたい場合は、行動値を高くして先制するか、一撃与えるまでは死なない事にしておきます。

範囲攻撃やシーン攻撃を持つPCがいるなら、賑やかしとして複数体登場させても良いです。

ボス戦では、ボスの前衛エンゲージとして数体配置し、倒さないとボスに到達できないという設定にするのが定番です。
露払いの範囲攻撃が出来ないPCチームだと、これだけでかなりのロスを強いられる事になります。

行動値を高くしたり、セットアップ移動エフェクト《クイックダッシュ》を使って、倒される前にPCエンゲージに突入する戦術も良いイヤガラセになります。同様に《妖の招き》や《虚空の陥穽》で引き寄せるのもいやらしいです。

→《ハンティングスタイル》などの特定の移動エフェクトで移動するか、撃退しないとボスエンゲージに向かう事ができなくなります。

→同じエンゲージに攻撃できない武器やエフェクトの弱点を突く事ができます。

→《威圧》でエンゲージを封鎖するのも、さらに一捻りあるイヤガラセになります。[肉体]判定対決で勝たないと移動出来なくなります。[常時飛行]を持たせるだけでも、飛行移動エフェクトを封じられるので、似たような効果を発揮します。

ボスと同じエンゲージに配置して、一般エフェクトの《カバーガード》や、トループ用エネミーエフェクトの《献身の盾》を使ってボスをカバーリングする役として配置する場合もあります。この使い方だとボスの復活エフェクト一つ分に相当する難易度上昇につながります。安易に出しすぎない様に注意して下さい。単体攻撃しか出来ないPCチームにとっては、かなりの負担となります。



◆中堅

行動値10
HP20
攻撃判定10D+5 クリティカル10 【19】
攻撃力10 【21】
ドッジ【15】
装甲5

弱い攻撃では一撃で倒せないかもしれない。
PC が2回攻撃を受けると倒される危険がある。
タイタス復活HPだと、防御無しでは一撃で倒される危険がある。
ドッジ成功の目もある。
…という感じの性能です。

ミドル戦闘で出してとりあえずPCに手傷を負わせたい場合は、行動値を高くして先制するか、HPに関係無く復活エフェクトを持たせておくなどして一撃与えるまでは死なない事にしておきます。

ミドルフェイズ戦闘で侵蝕率が上がりすぎる問題があるなら、上級ルールブックのEロイス【あり得ざる存在/シンドローム外のエフェクトを取得している】を2~3個持っていた事にして、プレイヤー達に開示しておきましょう。←1つにつき1Dだけバックトラックが楽になります。

ボス戦において、ボスと別エンゲージで出すと、嫌らしいアタッカーとして、ピンチ感をかもし出せます。
範囲攻撃に巻き込めないので倒すのに手間がかかるのです。
PCが持つ三体攻撃の《要の陣形》や《異形の祭典》、《サイレンの魔女》《スターダストレイン》等のシーン攻撃が光るシチュエーションとなります。

さらに厳しくするなら、毎セットアップに増援として登場させても良いです。
この場合の戦術は侵蝕率の低い・残りロイスの多いキャラを優先して狙う事になります。

ボスと同じエンゲージに出してカバーリング要員にすると、排除の為にPCの連携が必要になり、範囲選択攻撃や強制移動エフェクトが無い場合などは一気に戦闘を厳しくできます。キャンペーンでプレイしているなら、第二話以降のボス戦でやると効果的です。

行動値は、射撃やRCキャラクターにアドバンテージを感じてもらう為に、それらより遅くて白兵より速い10に設定してあります。


◆ボス

行動値 5
HP 設定ラウンド目のPC1の攻撃で沈む(爆 
攻撃判定 10D+20 クリティカル10 【34】
攻撃力 20 【37】
ドッジ 【20】
装甲 5
ガード 5

▼ボス戦の侵蝕率

公式の記述を元にした、想定されるボス戦のバランスをご参考までに紹介します。

>侵蝕率80%以下でクライマックスシーン開始
(ここまでで上がる侵蝕率は40%前後を想定)

>登場判定で侵蝕率+1D

>衝動判定で侵蝕率+2D

>1ラウンド目は《リザレクト》が使える想定

>復活タイタスを1〜2つほど使ってもらう

>戦闘終了時のPC侵蝕率は120%前後(およそ3ラウンドの戦闘)

>これで1倍バックトラック成功率は86〜95%

良く計算されています。


▼ボスのHP

HPはPC達のダメージ期待値から計算するのが本来のスジですが、上記のように設定してもクリティカル特化攻撃でもされない限り、結果的には同じ事です。あざといですが、結果良ければ~というやつです。

ボスが喰らったダメージを克明に記録しておいて、それに沿った形で戦闘後に「ボスのHPはこれだけありました」と事前に設定していた体で公開すると公正感を演出できます。マジあざとい。

これまたあざとい小技ですが、GMが設定ラウンド目になったら、PC1の一つ前に行動したPCの攻撃で倒れてエネミーエフェクトの《蘇生復活(HP1復活)》等を使うと、キレイにPC1にトドメ役を廻す事ができます。

システムに慣れて余裕が出てきたら、PCのスペックからHPを逆算して設定する手法を用いるようにすると良いです。幸運で早期終結。不運で戦闘長期化。戦闘のスリルが俄然アップします。

ざっくり計算するなら、100%時の攻撃力+達成値分4D(期待値22)を各アタッカー毎に計算し、その合計×戦闘したいラウンド数がボスのHPとなります。
(ルール1のp317参照)

例えば、サンプルキャラクターが侵蝕率100%の時に出せるダメージは、単体アタッカーなら1ラウンドあたり40ダメージ。範囲アタッカーなら30ダメージくらいです。

PC4人チームが1ラウンドに出せるダメージを概ね140とするなら、これに戦いたいラウンド数を掛けます。
単体ボスが2ラウンド目の最後に倒れる予定の場合、HPは140×2で280程にしておけば良いということになります。

あくまで期待値なので、出目が悪ければ戦闘は長引き、逆に出目が良ければ早目に終わる感じになります。
ダブルクロスは乱数影響が小さくないので、デキレースにはなりません。

不確定要素を強くしてある程度苦戦して欲しい場合は、ボスの《イベイジョン/固定値ドッジ》を25程度にすると、PCの攻撃が外れる確率が高まります(サンプルキャラ平均で命中率80%程度)。こうする事で支援キャラの存在意義も高まります。


ボス以外のエネミーを配置する場合、撃破に要する手数の分だけボスのHPを減らす事になります。しかし、PCチームが範囲攻撃やシーン攻撃を有効利用できるようなら、それほど減らさなくてオーケーです。

120%エフェクトの中にはダメージを0にしたり、復活するエフェクトも多々ありますが、使うとPL渾身の一撃をスカしてしまう事になり、カタルシスを削ぐ結果となります。
ギミックがあるのでも無い限り、使用を極力控えるのが賢明です。

復活エフェクトはシンドロームにより設定のバラツキがあるので、いざ設定するとなかなか面倒です。Eロイス❴不滅の妄執❵を使いきりで設定して、任意のHPで復活させるのが楽です。




●Ammoさん作の「DCDC(#DX3rd 確率計算ツール)」

https://double-cross-dice-calculator.pages.dev/

パーティー戦力の算出に使えます。



▼ボスのロールプレイ

ロールプレイ的には、
1ラウンド目"傲慢"「せいぜい無駄にあがくがいい!」
2ラウンド目"焦り"「なかなか楽しませてくれる!だがこれでおわりだ!」→「バカな!なぜ倒れない!?」
3ラウンド目"必死"「バカなこの私がお前ごときに追い詰められているだと!?」「しねえ!」
…てな感じで、意識して変化を付けて行くと良いです。
セリフはボスの衝動を元に言いそうなことを考えておくと、それっぽくなります。

その他、シンドローム限定のエネミーエフェクトや120%エフェクトを持たせておくと、強者感が出るのでオススメです。




▼ボスの攻撃

「1ラウンドにPC数-1ロイスを切らせる」バランスがオススメです。
毎ラウンド全員のロイスを切らせると、ジャーム化の危険がかなり高まります。

PCが四人チームなら、オルクスシンドロームを持たせて《要の陣形》を使い、射程視界で三人を攻撃します。
基本は残りロイスが多く、侵蝕率の低いPCを優先的に狙います。
完全にランダムで狙うのも、緊張感が増したり、カバーリングの重要性が高まるので、慣れたPLさん相手にはオススメです。

白兵の場合はハヌマーンの《かまいたち》、エグザイルの《伸縮腕》等をコンボに入れます。エネミーエフェクトの《ワールドデストラクション》使うのも良いです。

白兵か射撃攻撃ならさらに《形なき剣》をコンボする事になるので、ドッジに-3Dのペナルティを付けます。

RC攻撃には《大地の牙》をコンボしている事にして、ドッジ-1のペナルティを付けます。この攻撃は至近不可なので《縮地》などの移動エフェクトで間合いを確保しながら戦う事になります。

《要の陣形》を使わない場合でも、追加行動の《加速する刻》や範囲攻撃やサブエネミーの攻撃等を使って、「1ラウンドにPC数-1ロイスを切らせる」バランスに持って行きます。
《加速する刻》は1と2で合わせて、シナリオ10回(ラウンド2回)まで使えます。

《サイレンの魔女》等の全体攻撃をコンスタントに使うのも一見楽で良いのですが、侵蝕率がマジでヤバいPCに手加減ができなくなったり、タイタス切れで倒れたPCにトドメを刺さざるを得なくなったりするので、全くオススメ出来ません。全体攻撃は最初の一回だけ、使っても二回までにしておくのが無難です。

PCはあまりバステ対策を持っていないので、邪毒3LV辺りをばら撒いておくのも、戦闘の危機感をアオれるので効果的です。

同様に《自動触手》《蒼き悪魔》などの反撃ダメージエフェクトを使うのも効果的です。

PCにガードキャラがいる場合については後述します。


※ボスの攻撃力は、実はそんなに高くしなくても良いです。130点作成のPC達を相手にするなら、達成値分を22点として、固定値20もあれば充分です。
高すぎるダメージを放り込むのも、ボスの迫力演出としてはアリなのですが、PCデータのHPや装甲を無意味にしてしまうという残念な側面もあります。



▼ボスとの遭遇距離

遭遇距離は「一番鈍足なPCの戦闘移動m以内」にしておくのが無難です。行動値が0になる《フルパワーアタック》を使うキャラクターがいるなら5mにしておきましょう(公式シナリオも5mがスタンダード)。
…大概「思ってたより近いw」って言われますが^^;
マンネリを感じるなら2D−3メートルとか、1D+3メートルなど、ランダムにしても良いと思います。


PCの布陣は1エンゲージにまとまった状態でスタートするのが定番ですが、ルールで規定されているものでもありません。分散したいなどのリクエストがあれば、状況に応じてそうさせてあげましょう。

分散すると範囲攻撃で一網打尽にされずに済む/先攻する敵のエンゲージに捕まりにくい…といった利点もありますが、カバーリングが出来ない/《ポイズンフォッグ》による範囲支援が出来ない…等のデメリットもあります。




▼ボスの行動値

行動値は5ですが、これはボスはなるべく遅く行動したほうが事故(PCロスト)が起きにくいという理由によります。
そのラウンドのPCの攻撃を受けきってからボスの攻撃を繰り出すようにするわけです。

感覚や精神の能力値自体は低く、エフェクトで判定ダイスを補っていることにすれば、遅さにも説明がつけられます。

PCの《フルパワーアタック(行動値0攻撃)》よりは早く動くのがエフェクトデザインの意図を汲む形になるという判断で、0より速くてキリの良い5という設定です。

ボスに先制攻撃させたい場合は、イニシアチブで追加行動するエネミーエフェクト《加速する時》を使いましょう。

ただし、《加速する刻》はほぼ必ずPC達の先手を取れてしまうので、毎シナリオで乱用するのは行動値を高めているPCにストレスを与えてしまいます。

エネミーの行動回数を補いたい時に使う《加速する刻》は、本来の行動値順以降のイニシアチブから使う等、運用に自主規制を設定しておく事をオススメします。

(実際、ルール整備の進んだクロウリングケイオスでは、追加行動は"行動値の半分のタイミング"と、"全てのキャラクターの行動が終わったタイミング"にリデザインされています)


▼ボスのドッジ

避けるボスは不用意に戦闘が長引いてしまい、PC ジャーム化の危険を高めます。リフレックス》を使うようなボスは、ハッキリ言ってご法度です。

しかし、フルスクラッチの火力特化で攻撃判定の期待値がサンプルキャラクターにも及ばないようなキャラクターを持ち込むPLも、実のところ珍しくはありません。
一切避けないボスでは、そういった歪なビルドのキャラクターを許容する事になり、普通のビルドをしてきたプレイヤーに対して公平さを欠いてしまいます。

今回紹介したデータでは、対応として固定値ドッジエフェクト《イベイジョン》の設定値を20にしてあります。
この値の場合、普通のキャラ…侵蝕率100%/10D/クリティカル7/修正4…ならまずまず外しません(8割当たる。3連続で当たる確率は56%)。

公式シナリオのように、PC4人チームで1人は支援キャラを入れるバランスならば、支援キャラの意義を生かす為&火力極振りキャラ無双を抑制する為に、《イベイション》は25や30でも良いと個人的には思います。

ちなみにルール上、リアクションクリティカルにペナルティを与えるエフェクト…エグザイルの《80%:螺旋撃》、ノイマンの《デュアルデュエル》、オルクスの《100%:完全なる世界》etc …は、《イベイション》には全く効果がありません。
⇒ルールの整備が進んだクロウリングケイオスでは、クリティカル+1につきドッジ-10という裁定が可能となりました。


▼ボスのガード・装甲

高い装甲も高いガードもご法度です。
うっかり《竜鱗》をボスに使わせてしまうと、侵蝕率の高さから簡単に装甲30点とかになり、装甲無視エフェクトが無いキャラの攻撃をかなり防いでしまいます。

ガードエフェクトも同様に1LV持たせただけで、侵蝕率補正で3Dとかガードしてしまいまふ。

これらの事象はPLにけっこうなストレスを与えてしまいます。
装甲やガードを設定するなら、合わせてもせいぜい10くらいにしておきましょう。



▼ボスのデバフ対応

バッドステータスは、なるべく受けるようにした方がPCのリソースを無駄にせずにすむので良いです。しかし、近接攻撃専門や近接攻撃不可のボスが硬直をもらったりすると戦闘にならないので、この場合はエネミーエフェクトの《状態復元》を持たせておくと良いです。HP5点をコストにするのでPCのバッドステータス攻撃を完全に無駄骨にしなくてすみます。

ダイスペナルティー攻撃は、ほとんどのものが解除出来ません。特化されると、20個以上の判定ダイスがあっても封殺されてしまいます。
事前に対策を打つべきですが、エネミーエフェクトの《異形への変貌》を使ってダイスを増やして対抗するのが演出的にもオイシイです。侵蝕率が200あることにすればダイスを6個増やせます。
一回は封殺されても良いのですが、何も出来ないまま倒されそうなときは、Eロイス【あり得ざる存在】を生やして、ダイスペナルティーを無視するノイマンの《カリキュレーション》を利用しましょう。
Eロイスが増える分にはPCに利点(経験点プラス・バックトラックボーナス)があるので、納得してもらいやすいです。

衝動が闘争なら、Eロイス❴修羅の世界❵でどんなペナルティも一発で帳消しにできます。

《時の棺》等、判定キャンセル効果を連射してボスを封殺してくるパターンもありますが、これは《加速する時》で行動回数を増やせば数回キャンセルされても問題ありません。
パーティー全体で頑張ってもキャンセルを打てるのはせいぜい4回です。適度にキャンセルされつつ、結果的に3ラウンドで3回ボスの攻撃を通せばオーケーです。
《時の棺》のおかげで楽勝でした…ではなく、《時の棺》が無かったら対抗出来なかったぜ…という演出・戦闘バランスを目指します。


▼ガード型のPCがいる場合の調整

攻撃力を増やすなどの調整をして、ガードキャラのロイスを無理に削らなくても良いです。

ただし、調整として戦闘は1ラウンド伸ばします。ガード専門がいる分だけPCチームの攻撃力が落ちている結果を表現するためです。この記事のコンセプトに基づくならボスは4ラウンド目のPC1の攻撃まで粘る事になります。

攻撃力からボスのHPを逆算している場合は、ラウンド当たりのPCチームのダメージレートを増やして計算します。4人チームなら+25%、3人チームなら+33%といった具合です。
ボスのHPを増やす処理となります。アタッカーが一人欠けているので、その分戦闘が長引くという状況を演出するわけです。

ちなみに、標準的に鍛えたガードキャラは、
 ガードエフェクト20 (侵蝕3)
 盾12
 防具装甲8
 追加ガードやダメージ軽減20 (侵蝕3)
 HP35
 カバーリングエフェクト (侵蝕2)
 遠隔カバーリング (侵蝕4)
 ターゲット操作エフェクト (侵蝕4)
程度の性能です。

標準的には40ダメージに耐え、ラウンド一回は60ダメージに無傷で耐えます。

(複数回のカバー、遠隔カバー、ターゲット操作までやると、ラウンドあたりの侵蝕率が10を軽く越える事もお分かり頂けると思います。
⇒ガードキャラを無理に倒す必要は無い。)


▼PCのドッジ判定について

小技ですが、エグザイルの《螺旋撃》等ドッジのクリティカル+1ペナルティーのエフェクトをボスのコンボに混ぜると、ドッジ判定の成功率が0になり、PCがリアクション判定が無意味になる為、その分の時間と手間を短縮する事が可能になります。

慣れたPLだとドッジの成功確率がほぼ無いことを知っているので、死ぬの確定で手間を省くためのガードを選ぶのが定石なのですが、不馴れなPLだと目標値48とかでも、4D・クリティカル10のドッジ判定をしたりします。

特にオンセにも不馴れなPLだと結構なロスになります。「どんな判定ですか?…(説明)…肉体1で…今の侵蝕率が110だから+3Dなので4Dです…4dx@10(打ち込む。チャットパレット無い)…結果は1.9.7.5…達成値9ですね。ドッジ失敗しました」…こんな感じのやり取りに、毎度3分以上かかったりします。
慣れていても…侵蝕率や支援修正毎にチャパレが変わるのが面倒なんですよね、ダブルクロスは…^^;



▼ドッジ型のPCがいる場合の調整

ボスの攻撃を無理に当てる必要はありません。
調整として、ボスのHPを計算する場合にドッジキャラの攻撃力を使わず、他のアタッカーの攻撃力の平均値を使うという処理を行います。結果としてボスのHPが多少高くなるはずです。

ドッジキャラはドッジにリソースを裂いている分だけ他のアタッカーよりダメージレートが低いので、チーム全体としてのダメージレートを落としています。その結果としてボスを撃破するまでに時間がかかってしまう事を、この調整で表現します。



▼支援型のPCがいる場合の調整

《狂戦士》《アドヴァイス》など、ダイスを増やしてクリティカルを下げるタイプの支援エフェクトの場合効果は、ダメージレートでせいぜいアタッカー1人につき1D、良くて2D上がるか上がらないか位の効果です。

直接ダメージをブーストする、オルクスの《力の法則》や、ノイマンの《常勝の天才》。
これらは、期待値分だけボスのHPを増加させる処理に回します。


▼賢者の石によるクリティカル2攻撃が来る場合

経験点追加無しの130点キャラで、特化したクリティカル2攻撃をした場合、一撃で大体200±50程度のダメージを出す計算になります。
下ブレした時が怖いので、200程度と想定してボスのHPを設定しておくのが無難です。

上ブレして他のキャラの見せ場を食うのもアレなので、復活エフェクトも備えておくのが良いです。

追加で《妖精の手》もある場合、期待値が大体+90(ダメージにして55)になります。

こちらの記事を参考にしてみて下さい。
caunserahomare.hatenablog.com


ダブルクロスはプロレス?

ダブルクロスの戦闘は良くプロレスに例えられます。
馴れ合い・結果ありきのデキレースということではなく、互いに持てる技を出し尽くし、見せ場を作り合い正々堂々死闘を演じるという事です。
GMとしての心得構えは、PCの持ち味を発揮する機会必ず与える(PCか得意技を使う前に敵は倒れない)という事です。

ここで言う得意技とは、攻撃に限らず、ガード・ドッジ・キャンセル・カウンター・広範囲攻撃・などなどあらゆるものを包括したものです。

極端な話しですが、ボスが倒れさえしなければ、PCは自らのエフェクト使用で侵蝕率か上がり、勝手に追い詰められてくれます。

マスタリングには経験が必要ですが、心にとめておくと良いと思います。

キャンペーンなどで遊ぶ場合、ボス戦が毎回同じパターンになることを危惧するかもしれませんが、ボスのシンドロームやエネミーエフェクトやEロイスを毎回変えるだけで、充分に変化を持たせる事ができます。



●オンラインセッションにおける昨今のボス戦事情の紹介

ご参考までに。ダブルクロスはプレイグループによって別ゲームのように戦闘バランスに違いがでます。

GMサイド

>ボス戦は1ラウンド。PC全員が行動を終えた時点でボスは倒れる。
特に、進行に時間がかかる上に演出に重きを置くテキストセッションでは、戦闘が数ラウンドに及ぶと、演出ネタが切れる(言いたい事がもうないのに戦闘処理だけが続く)という事になり、不評につながる。

>ボスはガードも装甲ドッジも不要。倒れるタイミングが決まっているので。

>全体攻撃を連射してPC達のロイスを均等に二つ削る。

>Eロイスを7個とかたくさん積む、バックトラックの心配はほぼ無い。

>ギミックはかえって不評。スッキリ殴らせろという声は良く目にする。
"高難易度戦闘はGMの自己満足に過ぎない”など。

>戦闘前のセリフのやり取りが長引くのも不評。グダグダと、論場した・された・説得したい・説得しろ…とかはやる必要が無い。
そもそも、ダブルクロスのボス(ジャーム)自体が、そういう事を排するデザインになっている。

完全なデキレースで、スリルもゲーム性も無くて良いし求められていない。言うなれば「デカい数字を出しながら悪者をスカッと殴って気持ちよくなるフェイズ」である。

▼PLサイド

>PCは攻撃力重視がセオリー。
…というか、他の要素にコストを割く事がほぼ不要。

>1ラウンドしか戦わないので、エフェクトの回数制限を気にしなくて良い。

>命中率はそれほど考慮しなくて良い。コンセプト上ボスは基本的に避けない。

>ガードやカバーリングは無用(持っているとそのコストを攻撃に回せと言われる)。
ひどい時は事後GMに「なんでそんなそんなデータ持ち込んだの?」と言われたとか。

●バックトラック成功率

基本的にPCは経験点下駄方式なので、シナリオ経験点は実質無意味。
3倍バックトラックが忌避される理由が無い。

ロイスダメージマイナス2
Dロイスは基本持つ

残ロイス4。3倍換算でバックトラック期待値66
+
Eロイス7。バックトラックバックトラック期待値38.5

バックトラック出目の期待値は合計104.5

侵蝕率170では、バックトラック成功率99.7%
侵蝕率190でも、バックトラック成功率86.7%

1ラウンドでこれだけ侵蝕率を上げても問題無い。

>賢者の石クリティカル2アタックも普通に使える。
コンセ4+賢者の石2+他エフェクト効果1+ロイス1でクリティカル2。
賢者の石侵蝕コスト1D+コンセントレイト&起点エフェクトで侵蝕4程度。

ウロボロスや従者使いで侵蝕率基本値やエフェクトコストが爆上がりしていても、ほぼ気にする必要は無いだろう。







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[https://twitter.com/rennbo915/status/1157648408745664512:embed#火力厨への対処
・ちゃんとドッジする(期待値30前後を目標に)
・ガード型(カヴァー用肉盾)の取り巻きを作る
・ダメージ0系エフェクトを一つ積んでおく
・復活回数でカバー

ダブクロで火力厨にお困りの方は是非]