TRPGダブルクロスのススメ

モンハンじゃないよ

【19.3.15加筆】シナリオの作り方@ダブルクロス

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ダブルクロスのシナリオ作りの基本と、マスタリングのコツなどについて、私の経験則からあれこれ書いてみました。ご参考までに。



▼シナリオの大枠を考える。

とりあえず大枠を決めてから手を加える方が楽にシナリオを作れます。
最初から完成度の高いものを作ろうとすると、メインアイデアの肉付けで力尽きる事が多いですが、大枠があれば、その肉付けが楽になるので、シナリオも完成しやすくなります。
TRPGのシナリオはプレイを経て完成するものとも言えるので、カンペキを求めなくても大丈夫です。



1、最初にボスのキャラクターをつくる

なんならPCキャラクターをランダムに一人作って、それが知性を保ったままジャーム化したら何をやらかすかを考えてみます。

ライフパスや衝動はもちろん、エネミーエフェクトやEロイスやDロイスもあれば、かなりイメージしやすくなると思います。サプリメントのパブリックエネミーがあるなら欲望リストなども役に立ちます。

ジャームで暴走していないものは、知性ある振る舞いは可能なものの、極端に自己中心的な振る舞いになってしまいます。罪悪感もありません。心のより所は欲望の成就のみです。そして、その欲望を拡大して世界に顕現させようとします。

シナリオに落とし込むコツは、ボスが野望実現の為に特殊な力(特殊なアイテム)を得て、さらにそれを使うために一手間をかける事にする。です。

例1)最強になりたいジャームは、補食したキュマイラオーバードの分強くなる力を得て、それを使うために強いオーバードランキングリストを入手(強奪)して、それを参考に食べに行く。

例2)親からの虐待がトラウマなジャームは、虐待親を見つけて抹殺するために、抹殺依頼サイトを立ち上げる。さらに依頼者の家までディメンジョンゲートが使えるようになる。

例3)キャンペーンシナリオのボスなら、他人を乗っ取ったり、操ったり、ジャーム化させたりする力の使い手が、向いています。真犯人は別にいる事にでき、1話毎に真相に近づいていく構成にしやすいです。ソラリスやエグザイルや従者使いのブラム=ストーカーがオススメです。

ボスの戦闘データ自体はシナリオ作りの仕上げに作るくらいでかまいません。セオリーがあるので、難しくないです。詳しくは後述。


2、悪事の過程で、どんな形でPC1のロイスに迷惑をかけるか(故意or偶然)考えます。この迷惑を解消するためにPC1は奔走する事になります。
ここまでできれば、シナリオは出来たも同然です。


3、とりあえずハンドアウトを書いてみる。
自動的にシナリオロイスやオープニングも決まります。テンプレート的なものに落とし込めばオーケーです。PC2や3のハンドアウトの影響を受けてシナリオにサイドストーリーや伏線が生まれます。詳しくは後述。 
 

4、とりあえず情報項目を書いてみる。
意外とこれだけでミドルシーンの大枠が決まります。詳しくは後述。


5、トリガーシーンを設定する。
情報収集の結果、敵との接触が発生する。これでミドルフェイズも完成。詳しくは後述。


6、ボスデータを設定する。
クライマックスシーンもこれで概ね決まります。
 参考↓
caunserahomare.hatenablog.com


7、全体を通して、自分が楽しくマスタリングできるように、趣味全開で手を加える。
キャラクターの造形や性格、シーンの情景、言いたいセリフなんかもメモっておく。マンガやアニメに造詣が深い人は、ここら辺の引き出しが多くてうらやましいです。


8、それっぽくトレーラーを書く。フォーマットは以下の感じです。


●序文 定型文
「昨日と同じ今日、今日と同じ明日…
…だが世界は確かに変貌していた…」
   

●1文節目 
事件の原因・ボスの欲望を描写する。それとなく事件の真相の伏線を入れると旨いです。

例)弱さ故に虐げられていたその娘は、誰にも負けない強さを欲し…そして力に目覚めた。
 

●2文節目
事件を描写する。

例)圧倒的な力を持ってオーヴァードを次々に屠り捕食する漆黒の獣。闇に現れては消えるその獣の行方は、ようとして知れない。

 
●3文節目
これは「シナリオ内容を一文で言うと」の物語り

例)これは、人ならざる「力」と、人であるが故の「力」を巡る、黒き戦いの物語り。


●締め 定型文です
ダブルクロスthe 3rd edition 「シナリオタイトル」
"ダブルクロス…それは裏切りを意味する言葉"


例)
ダブルクロスthe 3rd edition
「Darker than the darkness
"ダブルクロス…それは裏切りを意味する言葉"

完成~
タイトルは、英文にするのが一般的です。

このフォーマットあくまで一例なので、自由に書いて構いません。


以下、各部詳細




ハンドアウトのテンプレート
一般的な例を示します。
 
PC1。事件に巻き込まれます。「悪いやつ」がさらに悪いことをしようと計画していて、その計画を進める段階でPC1の「ヒロイン」に迷惑をかけます。シナリオロイスは「ヒロイン」です。


PC2。主にUGNエージェントかチルドレン枠です。「悪いやつ」に因縁があります。宿敵だったり、かつての友だったり、行方不定になっていたり、似た境遇に同情したりします。シナリオロイスは「ボス(本名)」になるのが一般的です。既に殺されていてタイタス化しており、仇を打つという展開もあります。


PC3。主にUGN支部長枠です。大体はUGN日本支部長の霧谷さんの指令を受けて「悪いやつ」が起こしている事件の捜査に乗り出します。シナリオロイスは「ボス(コードネーム)」となります。


PC4。いい感じにチームに加わって、いい感じにシナリオの進行を助けてください。シナリオロイスは「ボス」になります。
…慣れたPLなら、丸投げした方が喜ばれたりもします。
別の記事にも書きましたが、特にオンラインセッションではPCは3までにするのがオススメです。時短になりますし、予定も合わせやすくなります。ロールプレイの密度もあげられます。いいことずくめです。



ハンドアウトを受けた、オープニングシーンのマスタリング

ハンドアウトの内容をロールプレイで演出します。
ここは、丁寧に時間をかけてシナリオロイスとの関係性を深める為のロールプレイを行います。
そうする事で場を温めると共に、PC・PLのモチベーションを高めます。

GMは、PCの個性をなるべく引き出せるシチュエーションを用意しましょう。あとで全員合流したときに他のPCが絡むきっかけづくりにもなります。
PLなら、後でそのキャラクターと出会ったときに話題に出来るエピソード(何らかの約束・思い出・貸し借り等)を作成できれば最高です。

事件が起こらない場合でも、回想シーンなどでロールプレイすると良いです。
TRPGに不馴れなPLがいる場合は、場が温まってから出られる様に、後の方に回してあげます。
 
個人的にはシナリオ中でも、たぶん一番重視している部分です。良いスタートが切れれば後の展開もより良くなって行くものです。



▼ミドルフェイズのシーンを構成する

ダブルクロスのシナリオは、シーン登場時の侵蝕率上昇の関係で、自ずとボリューム(シーン数)が決まってきます。

結論から書くと、ミドルフェイズで各PCが6シーンほどを基本として、登場出来るように構成します。
 

◆◆◆参考:ミドルフェイズ6シーンの根拠◆◆◆

まずは最低限上がる侵蝕率を考えてみます。1D10は、期待値の5.5で考えます。

・PCの初期侵食率の平均値  =35
・オープニングの登場判定  =1D(5.5)
・クライマックスの登場判定 =1D(5.5)
・クライマックスの衝動判定 =2D(11)

・合計 57

 
次に、最終的な侵蝕率の落とし所を考えます。

ルールブックの指針にある通りにするなら、クライマックスのボス戦闘では、タイタスを1~2つくらいPCに使わせれば良いです。戦闘なら3ラウンド分ほどです。

タイタスを2つ使うとロイスの残りは5個なので、バックトラックの期待値は27.5です。バックトラック設定がギリギリ期待値ではシナリオとして問題があるので、安全性マージンをとり、戦闘終了時のPCの侵蝕率は120くらいと設定します。
 
クライマックス戦におけるPCのコンボは、大体10前後なので、3ラウンド戦うなら侵蝕率90で戦闘開始となれば120にピッタリくらいです。

以上を踏まえて、90-57 = 33 が、ミドルフェイズで上昇させたい侵蝕率となります。

シーン数にするなら、5.5×6=33ということで、6シーン分です。

というわけで、ミドルフェイズで各PCが登場する目安がこの6シーンとなります。



◆◆◆◆◆◆

▼ミドルフェイズの戦闘について

ミドルフェイズで戦闘を入れるのはルールブックでも推奨される所です。システムに不馴れなプレイヤーがいるならチュートリアルにもなります。個人的にも、プレイのメリハリの為なるべく入れています。

ミドルフェイズの戦闘は、メリハリ良く基本的に1ラウンドで終わらせるくらいで回しましょう。長くても2ラウンドに納めないと、PCの侵蝕率があがりすぎてしまいます。

この場合、登場(侵蝕5.5)と、リザレクト一回(侵蝕5.5)と、攻撃コンボ(≒5)を勘案して、戦闘シーン+ミドル4シーンくらいが、シナリオ通しのプレイヤー人当たりの登場目安となります。
 
以下、ミドルフェイズ戦闘アリで話を進めます。



▼ミドル1 全員登場 

オープニングシーンを経た各PCがUGN支部などで合流して、PC間ロイスを確かめ、提示された情報項目を元に捜査方針を定めます。



▼ミドル2 情報収集
 
各PCが散って情報収集を行います。最初はPC数と同じ項目を設定し(難易度6前後)、その情報をもとにして調べる新たな1~2項目(難易度9前後)を設定するなど、段階的にすると良いです。いきなり真相にたどり着くのも興醒めですよね。

2シーン以上登場するキャラも出てきますが、侵蝕率低めのPCが担当出来るとスムーズです。
財産点を達成値の増加に使える事を、忘れないようにして下さい。

参加PCの[社会]がみんな1で、コネも持ってない場合も考えられます。その時はミドルフェイズの1シーン目にUGNからの支給ということで、アイテムの"クレジットデータ"…財産点を各5点程渡してフォローしてあげましょう。なんやかんやで、スムーズなプレイを優先したほうが、みんな幸せになれます。

とっさに情報を出したくなった時は、〈情報〉技能ではなく、〈知識:レネゲイド〉で判定してもらうとスムーズです。


●一段目の情報項目

1、PC1が巻き込まれた事件について
原因や奇妙な点、過去の類似事件からの考察などの情報が得られます。より詳しい実情を提示して、ボスの企みをほのめかします。


2、PC2のシナリオロイスについて
不審な行動をしていたり、事件を起こしていたり、何かについて調べ回っていたり、行方不明になっていたり、死んだはずだったり、同情を誘う事情があったりします。実はボスであることをほのめかします。ほのめかしつつ、実は真のボスにあやつられていたり、脅迫されていたりするのも乙です。
接触方法を探す事になります。→二段目の情報収集へ


3、ヒロインについて
ヒロインに「レネゲイド関連の特性」があったり、過去に秘密があったりして、ボスに狙われています。実はボスの場合、最近不審な行動をしていたりします。
「レネゲイド関連の特性」について調べて、なんとか助ける手段を模索することになります。→二段目の情報収集へ


4、ボスについて
ボスの能力(シンドロームやEロイス)や恐ろしさについてほのめかし、危機感を煽ります。
無敵になるEロイス【究極存在】や、エフェクトの使用を禁じるレネゲイドビーイングのエネミーエフェクト《フォールダウン》をボスが使ってくる場合、それらを解除するためのギミックがわかります。
オープニングフェイズの演出でボスと戦闘させ痛い目に会ってもらっておくと、調査のモチベーションになります。


 
 
●二段目の情報項目

1、ボスとの接触方法について
アジトの場所や出現条件が分かります→トリガーシーンへ


2、ヒロインの救済方法について
ボスを先に倒せば、ヒロインの洗脳が解ける。レネゲイドクリスタルを破壊すればヒロインの暴走が解ける。相互にロイスを持つキャラが説得すれば助けられる。助けるにはボスの持っているアイテムが必要等、クライマックスのギミックがわかります。



●情報収集のギミック

情報収集が得意なPCがいるなら、ボスの弱点をエクストラな情報項目として高めの目標値(15~30)で設定してやると面白いです。
判定に成功したら、装甲無視効果や、攻撃ダイス+2、ダメージ+5などの効果を、ボス戦で得られる様にします。

他にも、情報収集にかかったシーン数をカウントして、早く終われば何らかのボーナス(ボスの弱体化)、時間がかかったら何らかのペナルティ(ボスの強化)を与える等しても面白いです。
 
こういったギミックやFS判定の有無は、ハンドアウト提示時など事前に知らせておくと親切です。

情報項目開示をトリガーにして、マスターシーンを挿入するテクニックもあります。
ボスのモノローグを描写するなどして、得られた情報を裏付けたり、更なる事件の発生をほのめかしたりします。



ミドル3 トリガーシーン・戦闘

得た情報を元に行動を起こしたPC達に敵が襲いかかります。
ヒロインがさらわれたり、敵が正体を表すなどします。敵のアジトに侵入しての戦闘もあるでしょう。

シンドローム別のエネミーエフェクトや、120%エフェクト、上級ルールブックのEロイスを演出に使うと、危機感を演出しやすいので盛り上がります。

サプリメントのインフィニティコードがあるなら、チェイスや侵入等々の解決にFS判定(困難な状況を色々な技能判定で乗り越える)シーンを入れるのも面白いです。



▼ミドル4 全員登場

最終決戦を前に、それぞれ事件解決への取り組み方やモチベーションを確認するPC間のロールプレイを行います。
ヒロインやボスの生死への関わり方が話題になる事が多いでしょう。
他のPCロイスへの感情(最初と今で変化があればなお良し)を表現することを意識すれば、ロールプレイのヒントになります。
GMは、PC達のロイスの取得忘れや感情変化が無いかもここでチェックしておくと、クライマックスがスムーズです。



▼クライマックスシーン
始まりの時点でPC達の侵蝕率が概ね75%前後になっていれば上出来です。低すぎるならジェネシフトを使ってもらえばよいので問題無いのですが、高すぎる場合はボスにEロイスを生やす等して調整ておきましょう(一つにつきバックトラックに+1D)。

衝動判定終了時点で半数以上のPCの侵蝕率が100を越えていた場合、戦闘を2ラウンド目の最後で終わらせる調整をしないと、バックトラックが二倍振り以上必要になる可能性が高いです。


登場侵蝕率上昇
ボスと接触・ロールプレイ
衝動判定
戦闘
バックトラック
…という流れでシーンを回します。


▼エンディングシーン

ここは細かく決めておかずに、各PLの希望を汲んで演出すると良いです。


以上、とりあえずはこんな感じです。


色々書きましたが、サプリメント"パブリックエネミー"記載のシナリオクラフトを遊んでみれば、より体感的に身に付くと思います。
ボスデータ集や何種類ものストーリーパターンテンプレート、NPCジェネレーター、コードネームジェネレーター、ファルスハーツDロイス、ファルスハーツ専用ユニークアイテムなど、遊べるデータ満載です。ぜひお手に取ってみて下さい。
電子書籍でも出ていますが、チャート参照頻度が高いので、物理本で所持しておくのがオススメです。


ダブルクロス The 3rd Edition サプリメント パブリックエネミー【新品】 TRPG アナログゲーム


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