ダブルクロス上級ルールブックの、おいしい所や使い味などを紹介してみようと思います。プレイヤーとしてもGMとしても、ゲームをより深く豊かに楽しむ為に役に立つ、情報満載の一冊です。
ちなみに、基本ルールの内容は上級ルールブックには掲載されていないので、別に基本ルールブック1と2が必要になります。
ちなみに初版は2009/9/30です。
◆Sロイス
スペリオルロイス。
ロイス一つを、とても大切な関係である"スペリオルロイス"に指定できます。
これがタイタス化しなければ、アフタープレイで頑張ったご褒美に+5点もの経験ボーナスがもらえます。
タイタスを昇華しても、ダメージ5Dアップ、エフェクト回数回復、復活+HP完全回復…等々、普通のタイタス昇華よりもかなり強力な効果を選択できます。
特にエフェクト回数回復は強力です。
判定キャンセル《時の棺》、攻撃力+40《マシラのごとく》、ダメージ60《滅びの遺伝子》、2回攻撃《ライトスピード》、仲間の攻撃力+32《常勝の天才》…などの回数制限エフェクトを複数回使える様になります。
とっさのブレイクスルーになりえますが、Sロイスに指定して即昇華という荒業は、あまり美しくない(主観!)です。
ミドルフェイズのうちから、ロールプレイにアイデンティティーの表現として織り交ぜておければ、ベターですね。
ボスをこのSロイスに指定してしまうと、クライマックス戦闘で、ほぼ必ずタイタス化してしまうので経験点には出来ません。せめて使うチャンスを逃さないように注意しましょう^^;
ゲームデータ上の利得以外にも、"特定のキャラクターをSロイスに指定する"ということが、シナリオのフラグとして使われる事も少なからず見受けられます。
私がGMをしていても、重要なNPCを演出込みでSロイスに指定してもらえると、嬉しかったりするものです。
存在や効果が意外と忘れられやすいルールなので、演出も含めて使いこなせると玄人感が出ます^^;
◆Dロイス
ディスクリプトロイス。
ロイス枠を一つ削る代わりに、独自の能力とその根拠となる設定を手にいれるデータを52種類掲載。
それにまつわる追加エフェクトが48種、アイテムも17種。上級ルールブック一番の目玉です。
慣れたプレイヤーなら、キャラクターの強化や味付けに、必ずと言って良いほど使っているルールです。能力値を増やすものもあるので、キャラクターメイキングや運用の自由度がものすごく広がります。
Dロイスそれぞれの活用について、一つの記事を書く事も可能なほどの潤沢なデータ群です。Dロイスを導入すると、データ的にも高い数字を出す"強い"キャラクターを作れるようになる分だけ、GMが作るエネミーも強くなるというパワーインフレを呼んでしまいがちになります。
チカラと引き換えにロイス枠を一つ潰すので、キャラクターロストのリスクはどうしても上がります。じっくり運用方法を考えてから利用することになります。(バックトラックが楽になるDロイスもあります)
使いにくすぎたり強すぎたりして、後発のサプリメント"リンケージマインド(LM)"でバランス調整が入ったデータも多いです。
実験体、戦闘用人格、伝承者、秘密兵器、特異点、精鋭、究極の零etc 多岐にわたります。
セッションのレギュレーションにLMが入っている時は、上級ルールそのままのDロイスデータが使えない場合もあるので注意しましょう。
ちなみにLMではDロイスの個数が52→104と倍に増えて掲載されています。しかしながらDロイス運用上の基本ルールは上級ルールブックにしか掲載されていないので、LM単体でDロイスを運用するのは無理となっています。
caunserahomare.hatenablog.com
◆ユニークアイテム
成長やフルスクラッチ作成において、経験点を消費して常備化する"ユニークアイテム"が30種登場。
初期作成において、武器エフェクト(+移動エフェクト)にコストを取られたり、常備化ポイントに頼らずに(情報収集能力を落とさずに)、強い武器を入手する事ができる。という利点があります。
キャラクター作成時点で最初から経験点をたくさん使える…いわゆる"下駄"のあるレギュレーション以外だと、コスト20点くらいまでの安い武器系以外は殆ど見かけません。そして、コストの高いものは大概ネタ扱いです^^;
ちなみに、後続のサプリメント"ユニバーサルガーディアン"では、このユニークアイテム取得に組織の縛りがある"エンブレム"というデータ群が登場して、新たなキャラクター強化の選択肢を提供しています。
アイテムではありますが、バランス的には侵蝕率が上がらない分だけ効果が低いor経験点コストが高く、また成長性も無いエフェクト…ととらえると良いと思います。
ヒューマンリレーション以降のサプリメントでは、データ設定バランスが変わり、強力で使いやすいものがドンと増えました。
◆ワールドパート
ダブルクロス2ndの時代にあった、リプレイやシナリオ集で起きた大事件が説明されています。
UGNやファルスハーツを初めとする組織の詳しい説明と、追加NPC62人が紹介されています。
ダブルクロスのGMになれるまで無理に使う必要はありませんが、慣れてくるとシナリオ登場人物の穴埋めやアドリブなどに、便利に利用できるようになります。
NPCに関しては極端なハナシ最初は、UGN日本支部のトップ霧谷雄吾さんだけ知っていればなんとかなります。事件解決の依頼と後始末をしてくれるキャラです。
◆Eロイス
ジャーム専用のEロイス(エグゾーストロイス)が35種紹介されています。
このEロイスの搭載数だけ、PC達のバックトラックダイスと経験点が増えます。
戦いがえげつなくなる分、PC達はより高い侵蝕率からでもバックトラックを成功させやすくなるルールです。ボスの強化と個性化に便利で、GMとして使いがいのあるデータです。
ちなみに、ルール上、一人のジャームはロイス枠の最大7つまでしかEロイスを持てませんが、ボス以外にEロイス持ちのジャームを出すことは可能です。シーン数が多くなるシナリオなどにおいての、バックトラック救済措置として、弱めのEロイス持ちのエネミーを複数仕込む(仕込んでいたことにする)というテクニックも存在します。
プレイヤーサイドから見ると、"このシナリオにEロイスがいくつ使われているか?"は、侵蝕率を管理する上で、とても重要な情報となります。
敵が使うまでわからないとするのが、スリルがあるし自然…かもしれませんが、ある程度の数だけでもクライマックス前に知らせておくと、親切なマスタリングになります。情報項目として設定したり、プレイヤーに《インスピレーション》などを活用してもらうのも手です。
◆追加エネミーデータ
ザコからボスクラスまで、30体が紹介されています。
このゲームのGMになれると、ザコは簡単なメモと感覚だけで運用できるようになりますし、クライマックス戦闘はわりと計算ずくで組み立てるものになるので、最終的にはあまり活用しないデータかもしれません。
一番使うのは、後発サプリメント"パブリックエネミー"に記載のある、シナリオクラフトシステムで遊ぶ時に、ランダムエネミーを使用するときかもしれません。
基本ルールブックでもそうでしたが、表記枠の小さいデータが運用しにくい書き方になっているのが難点です→エフェクトと能力とかは解った。で、結局ダイスいくつで攻撃力いくらなん?
私はオリジナルシナリオを回す際には、使いやすい汎用データをオリジナルで作って使用しています。
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→ちなみに後発のサプリメント「クロウリングケイオス」から、「Mエネミー」というエネミーデータ形式に変わり、見やすく分かりやすく運用しやすくなりました。
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◆シナリオパート
連続ストーリーとして遊べるシナリオが二本掲載されています。DロイスやEロイスが導入されています。
◆アペンディクス
追加NPCをランダムでロイスに設定する表。
Sロイスや特殊なDロイスに対応したキャラクターシート等
…が、追加要素になっています。
以上!
電子書籍版もでてますよ!
●アマゾン
本の説明に"シナリオクラフト掲載"とありますが、これは間違いです。
ダブルクロス The 3rd Edition 上級ルールブック ダブルクロス The 3rd Edition ルールブック (富士見ドラゴンブック)
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