ダブルクロスのススメ

夏以降でサプリが出るようです●ハートレスメモリー電子書籍化決定!●SSSの第4弾ラウンドアバウトが1月下旬発売されました!【更新履歴】●4/18ガード記事にカウンターダメージエフェクトを追記●4/2賢者の石記事にオーバードーズキャラ追加●2/21サイレン記事に雷鳴の申し子を追加●1/20賢者の石記事にキャラ追加●1/17奈落の法則記事にウロボロスを追加●1/1GMのコツと遊ぶコツの記事にTweetを追加●12/7ボスエネミーデータ記事に1ラウンド戦について加筆●12/3アイテムアーカイブのサイレントエラッ

【22.12.19加筆】上級ルールのDロイス解説その2/戦闘用人格/特権階級/生還者/複製体/伝承者@TRPGダブルクロス


[戦闘用人格/特権階級/生還者/複製体/伝承者]

上級ルールで紹介されているDロイスの解説記事その2です。

【LM変更あり】の項目は、後発のサプリメント"リンケージマインド"でデータ変更があったDロイスです。

シリーズ記事は↑の[Dロイス]タグからご覧下さい。

 

◆No.6 戦闘用人格(デュアルフェイス)

【LM変更あり】

侵蝕率100%で、判定ダイスが4増えます。侵蝕率分と合わせてダイス+7個になります。
(LMではダイス+5&攻撃力+5!)

フレーバーは良いのですが、性能は正直微妙です。
【実験体】の様に、能力値の底上げによるステータスアップの効果は無いですし、【賢者の石】の様に大ダメージを叩き出すこともないので、戦闘早期終結の直接の役にも立ちません。

さらに、普通のDロイスよりもバックトラックが1D不利になります。
オフラインセッションをする場合に、用意しなければならないダイス数が増える&判定に時間がかかるという物理的デメリットもあります。

あえて実験体ではなく、戦闘用人格をデータ面でチョイスするビルドを考えるなら、クライマックスのドッジ用ダイスを少しでも稼ぎたいキャラとなります。
侵蝕率100%オーバー時にドッジ二回成功でロイス収支の元がとれる計算になります。

ダイスが増やしにくい肉体以外の…社会や精神や感覚基準のドッジを、初期から運用したいキャラには特にオイシイかもしれません。

ダイスが多い《完全獣化》を使うキュマイラのダイスを更に増やすのも、コンセプトビルドとして面白いかもしれませんね。
普通に20D以上振れる事になるので、クリティカル値10のドッジでも一回はクリティカルしてくれそうです。

フレーバーの話しになりますが、基本殺すしかないジャーム相手に、非情になりきれなかったり、ビビりな性格のキャラクターがこのDロイスを利用すると、ロールプレイと戦闘行動にいい感じの整合性とコントラストの演出を差し挟めます。
そういった意味ではかなりオススメです。
最近の例だと鬼滅の刃の善逸がコレですね。


◆キャラクター例

【サイレン×ドッジ@戦闘用人格】ブラックドッグ×ノイマン+ハヌマーン

【コンストラクション】

▼能力値 レネゲイドビーイングC
肉体2 
感覚1 
精神8 〈RC〉1+3 
社会1 〈調達〉+2

▼エフェクト
2《見えざる僕》1LV 
2《リフレックス:ブラックドッグ》2LV
2《雷の槍》1LV 攻8 -1D
5《サイレンの魔女》2LV 攻9
2《コンセントレイト:ブラックドッグ》2LV
2《オリジン:レジェンド》1LV 修正4

▼100%コンボ
侵蝕7(準備2)/攻撃力17/ダイス14/クリティカル10/修正8/シーン選択/装甲無視

▼100%ドッジ
侵蝕4(準備2)/ダイス15/クリティカル7/修正8
期待値43.1

ダイスが多いので、サイレンの達成値はわりと安定して20台を狙えると思います。コンストラクションなら及第点の性能です。
可能なら《ハードワイヤード》でRCブースターが欲しかった所です。




◆No.7 特権階級(ハイロード)

タイタスの効果を他人に使えるようになります。
 
多くの場合ボス戦で仲間を復活させるのに使う事になりますが、ダイスペナルティーやバッドステータスなどの不利な状況の解除や達成値支援など、活かすチャンスは多岐に渡ります。

特にロイスを失いにくいガードキャラにオススメのDロイスです。直接の殲滅力には繋がらないので、アタッカーには向いていません。支援キャラも侵蝕率がバカにならないので、いざというとき生かしにくいです。

どのタイミングで誰にどの効果で使うか?仲間の侵蝕率と残ロイス・バックトラック成功率や戦況などを判断しての的確な運用ができないと、無駄使いをして自分の首を絞めることになりかねません。的確な運用をすればかなり心強いDロイスなのですが、利用には慣れが必要です。

エフェクトアーカイブ環境なら、"メモリー"によってバックトラックの成功率が担保できるので、実質的に使えるロイスが増え、更に利用価値が上がります。

リンケージマインド環境の場合「固定ロイスの特殊効果"白"」で、やろうと思えば誰でも他人にダメージゼロ効果を一回は飛ばせるので、相対的にこのDロイスの価値は下がっています。

《コンセントレイト》3LV+【賢者の石】+《リミットリリース/ハヌマーン》アタッカーがいるなら、かなりのローリスクでクリティカル2攻撃が可能になります。
→アタッカーのクリティカルは自力で3。
ここに特権階級持ちがタイタスを飛ばせば、あっさりクリティカルが2に。ダイス14ならこれで達成値300±150が狙えます。

同じくクリティカル支援効果を使える支部長専用Dロイス【指導者】は、ダイス+5が付きますが一回しか使えない上に「下減値が5」なので応用性に劣ります。



◆キャラクター例

ディフェンダー@特権階級】キュマイラ×エグザイル

【コンストラクション】

▼能力値
肉体5 HP32
感覚1
精神2 〈意志〉1+2
社会4 〈調達〉1+3

▼エフェクト
2《崩れずの群》1LV カバー
3《イージスの盾》3LV 4Dガード
4《命のカーテン》1LV 遠隔カバー
2《鋼の肉体》1LV  2D+5回復
2《コンセントレイト》2LV

最大ガード力 4D+12(クリスタルシールド)

 
メジャーアクションは鋼の肉体でHP回復します。コンストラクションのディフェンダーとしては、かなりしぶといビルドです。
遠隔ガードが届かなかったり、範囲攻撃を受けてカバーリングしきれなかった仲間を、必要ならタイタスで復活させます。




◆No.8 生還者(リターナー)

バックトラックで3Dの侵蝕率を下げます。

普通のロイス一つ分(1D)と比べると、期待値で+11の効果があります。
バックトラックの1倍振り・2倍振りの成功率が上がることで得られる経験点が増えます。…経験点を貯めて成長させながら遊ぶ、キャンペーンセッションで使ってこそ意味のあるDロイスです。

三倍バックトラック覚悟なら意味をなさないDロイスなので、コンベンション等、経験値カウント無用な単発セッションではほぼ意味が無くなります。

バックトラックの成功率を確かに底上げしてはくれるのですが、3rd editionでは侵蝕率をガッツリ下げられる"メモリー"やEロイスルールが加わった為、すっかり影が薄くなってしまいました。

リンケージマインド環境になると、固定ロイスがDロイス並みの性能に上がった為、さらに取得価値が下がってしまいました。

タイタス効果のダイス+10が使えなくなるペナルティーを忘れがちなので、GMをする時も注意しましょう。



 

◆No.9 複製体(デュプリケイト)

侵蝕率制限(80%とか100%とか)の無いタイプのエフェクトを、どのシンドロームからでも一つ習得します。トライブリードでも最大レベル制限はありません。
だだし、ロイス一つを犠牲にしている上に、使用時の侵蝕コストが上乗せになるエフェクトなので、計画的に利用しないと危険です。

同様の効果を手広くデフォルトで持っているウロボロスシンドロームの出現により、すっかり影が薄くなってしまったDロイスです^^;
一応ウロボロスではコピー出来ないタイミング[常時]のエフェクトを取得できる所に複製体のメリットはあります。

このDロイスを取得しているキャラは、誰かのコピーとして生を受けた存在となります。オリジナルキャンペーンシナリオのネタとしては、充分なポテンシャルです!PC・NPCを問わず、ロストしたキャラクターを再登場させる理由付けにも使えます。ドラマチックに、使えますね!

【複製体】はピュアブリードのキャラクターの弱点を補う形で利用すると便利さが際立ちます。



◆複製体に向いているエフェクト

▼《ハードワイヤード》ブラックドッグ
最もよく選ばれるエフェクトかもしれません。
ノイマンピュア六刀流にアームブレードを供給したり、サイレン使いにRCブースター(判定固定増加)を供給したりと、便利に手広く利用可能です。
ただし、基本侵蝕が+7になってしまいます^^;


▼《加速装置》ブラックドッグ
バロールピュアが速攻で敵の行動値を0にしたり、白兵アタッカーの行動値を上げて移動力と速攻力を獲得したり、素早く動いてバフ・デバフエフェクトを活用したり、サラマンダーの行動潰し《インフェルノ》を活用したりetc こちらも手広く利用可能です。


▼《獅子奮迅》ハヌマーン
ブラックドッグピュア白兵など、範囲攻撃が出来ない白兵アタッカーに。


▼《ペネトレイト》モルフェウス
装甲無視が出来ない物理アタッカーに。


▼《振動球》ハヌマーン
ブラックドッグ/オルクス/バロール系の装甲無視ができないRCアタッカーに。


▼《異形の守り》エグザイル
ガードキャラやオートエフェクト使いの重圧対策に。


▼《伸縮腕》エグザイル
白兵アタッカーの射程延長に。


▼《ウルトラボンバー》エグザイル
自爆による高威力範囲攻撃。射撃アタッカーの一発芸として。ドッジ不可なので単体で取得しても役に立つ。


▼《サイレンの魔女》ハヌマーン
RC固定値の高いブラックドッグピュアRCに。
etc

いずれもロイス枠一つ分以上の価値はある効果です。



◆キャラクター例

【雷鳴の申し子×サイレン@複製体】ブラックドッグピュア

フルスクラッチ

▼能力値 レネゲイドビーイングD
肉体4 〈回避〉1 HP30
感覚2
精神2 〈RC〉1+3 〈意志〉1
社会1 〈交渉〉1 〈情報:UGN〉1 〈調達〉+2
【能力値0】【技能10】

▼エフェクト
+4《ハードワイヤード》7LV RC+14
2《見えざる僕》1LV ドッジ
2《雷の槍》1LV 攻8 -1D
5《雷鳴の申し子》1LV 攻+減少UP
5+2《D複製体:サイレンの魔女》1+4LV 攻24
2《オリジン:レジェンド》1+2LV RC+8
+5《ヒューマンズネイバー》1LV
【エフェクト120】

▼100%コンボ
侵蝕14(準備2)/攻撃力32+減少HP/ダイス4/クリティカル10/修正26/シーン選択/至近不可/装甲無視

▼100%ドッジ
侵蝕2(準備2)/ダイス5/クリティカル10/修正26

ちょっと変則的な固定値サイレン使いです。
《ハードワイヤード》7LVによる厚い固定値や、《見えざる僕》によるローコストのドッジ力、《雷鳴の申し子》によるロマンアタックが持ち味です。



【バロールデバフ×加速装置@複製体】バロールピュア

フルスクラッチ

▼能力値 UGNチルドレンA
肉体1 〈白兵〉2 〈回避〉1
感覚2  行動値8
精神4 〈RC〉1+3
社会2 〈調達〉+2 〈情報:UGN〉1
【能力値0】【技能10】

▼エフェクト
2《停滞空間》2LV 行動値0
3《死神の瞳》5LV 攻+7D
3《因果歪曲》2LV 範囲攻撃
2《ピュア:黒星の門》1LV +2D
2《コンセントレイト:バロール》2LV
1+2《D複製体:加速装置》1+2LV 行動値+16
【エフェクト120】

▼100%コンボ
侵蝕12(準備3)/攻撃力0/ダイス9/クリティカル7/修正4/範囲選択・至近可/次の攻撃+7D/シーン中行動値0

行動値24からの《停滞空間》で敵の行動値を0にします。《死神の瞳》も乗るので、相手は何もできないまま倒れる事になります。
ザコには圧倒的な強さを誇りますが、能力値9以上の従者だと行動値24を越えてくるので厄介な相手となります。

注意点として、エネミーエフェクト《加速する刻》による行動は封じる事ができません。さらに《加速する刻》に付随するマイナーアクションを使用して《停滞空間》の効果を解除されてしまいますので、この場合は敵のマイナーアクションを使わせる効果にしかなりません。

とは言え、成長でダイスペナルティ18個の《100%:魔神の心臓》や、リアクション潰しの《80%:悪魔の影》等を使いこなせるようにもなるので、バロールデバフキャラを極める事が可能になっています。


【神獣撃×伸縮腕@複製体】キュマイラピュア

フルスクラッチ

▼能力値 UGNエージェントC
肉体6 〈白兵〉+4
感覚1
精神1 〈意志〉1 〈RC〉1 〈知識:〉2
社会2 〈調達〉1+1
【能力値10】【技能10】

▼エフェクト
6《完全獣化》1LV +4D
3《破壊の爪》1LV 攻10
2《獣の力》2LV 攻6
2《80%:神獣撃》5LV 攻8D
2《コンセントレイト:キュマイラ》3LV
4《D:伸縮腕》1LV -1D
【エフェクト110】

▼100%コンボ
侵蝕10(準備9)/攻撃力16+8D/ダイス12/クリティカル7/修正4/射程視界
ダメージ期待値82

移動や位置取りを気にしなくて良いので、かなり使いやすいです。初手からボスを殴れます。
とは言え、なるべく敵に隣接して《伸縮腕》のコストを払わなくて済むように運用しましょう。

範囲選択攻撃の《増腕》が取得できるので、結構磐石に立ち回れます。



◆No.10 伝承者(サクセサー)

【LM変更あり】

達成値+3D10、HPを5失う、シナリオ1回。
(LMでは、クリティカル-1、HPを10失う、シーン1回、使用回数3回)

微妙な効果です。使っているキャラはごく稀だと思います。
さらにはHP-5のコストが生じるので、HPをコストにすることが多いブラム=ストーカーだと使いにくい効果です。

あえて使うなら、サラマンダーの《氷壁》やノイマンの《守りの弾》など、判定キャンセルエフェクト使いに持たせて、とっさのブーストに使う。または《マシラのごとく》など命中に不安のある必殺エフェクトの補助として用意するくらいでしょうか。



●【LM版】について
ミドルフェイズの戦闘では《コンセントレイト》3LVを前提に切り札として使えますが、シーン一回のためボス戦でも一回しか使えません。イマイチ感が否めませんが、変更前よりはマシです。

3シーンも戦闘が有ることは希ですし、あったとしても全てに参加したら侵蝕率がとんでもない事になるので、使用回数一回は戦闘以外で使えれば余らせずにすみそうです。
判定技能を固定しなければならないので、攻撃・回避・情報収集に転用できる〈RC〉が有利と言えば有利です。

リンケージマインドでは、固定ロイスで達成値+15なんて効果も出てきてしまったので、ますます存在意義が怪しくなってしまいました^^;