基本ルール環境における、白兵・射撃・RC・交渉・運転・支援・ガード、それぞれの基本的な特性について、解説してみます。
キャラクター作成や、基本的なゲームバランスを知る参考になればと思います。
◆白兵ビルドの特性
遅い。射程が短い。
クライマックスで大ダメージを発生させる力が高い。
後述する攻撃力の高いエフェクトを使いこなさないと、ならではの強さは見つけにくい。
>適正が高いシンドローム
キュマイラ
ハヌマーン
エグザイル
サラマンダー
ブラックドッグ
ノイマン
▼長所
●安定したダメージディーラーになれる。
装甲無視・ガード無視が可能なエフェクトが比較的豊富で取得しやすい。
高経験点環境でも活躍しやすい。
◆白兵の装甲無視やガード無視のエフェクト
ハヌマーン《吼え猛る爪》《浸透撃》
ブラックドッグ《バリアクラッカー》
バロール《漆黒の拳》
ブラム=ストーカー《渇きの主》
モルフェウス《ペネトレイト》
エグザイル《貫きの腕》
等
●攻撃力を確保しやすい。
>白兵の武器は射撃に比べて価格と威力のバランスが良い。
基本ルールなら両手剣やワイヤーウィップがオススメ。
>高性能な攻撃力の上がるエフェクトが豊富で使いやすい。
キュマイラ《フルパワーアタック》《神獣撃》
サラマンダー《終末の炎》《クロスバースト》
エグザイル《ジャイアントグロウス》
ブラム=ストーカー《ブラッドバーン》
ハヌマーン《マシラのごとく》《ライトスピード》
ノイマン《マルチウェポン》《ヴァリアブルウェポン》
等
サプリでもだいぶ増えました。
使用回数制限が無いものや燃費の良いもの・効果の持続性の良いものが多く、継続して大ダメージを出し続ける力は他を凌駕しています。
行動回数を増やす効果との相性が抜群です。
●攻撃力のキュマイラと応用力(装甲ガード無視・範囲化・長射程化)のハヌマーンのクロスブリードが鉄板です。
サプリでは、エグザイルやモルフェウスもかなり強化されました。
●行動値が低い=行動する機会か少ない傾向=侵蝕率上昇を押さえやすい。
…という、隠れた利点もある。逆を言えば、活躍の機会は比較的少なくなりがち。
行動値を補うと、かなり活躍できるビルドに仕上がる。
●ドッジが得意。
[肉体]が高いので、ドッジ用のエフェクトを使わなくてもザコの攻撃なら回避できる事がある。
▼短所
●移動距離が短いので、遠くの敵が苦手。
能力値の"感覚"と"精神"が低くなりがちな為、移動距離が短くなります。10m先の敵にも届かない事もあります。
気になる場合は、射程10mの武器ワイヤーウィップを使うか、エグザイルの《伸縮腕》や、ハヌマーンの《かまいたち》《一閃》、キュマイラの《一角鬼》、ブラックドッグの《加速装置》等で補ってやる必要があります。
●行動順が遅いので、敵に先手を取られる
移動距離が短いのと同じ要因で行動順も遅くなります。
ブラックドッグの《加速装置》や、ハヌマーンの《先手必勝》等で補えますが、ある程度は諦めるしかありません。
戦闘でも行動(活躍)の機会が少なくなりがちです。
スピード系の白兵アタッカーは余程の工夫しないと成り立ちません。
速い白兵アタッカーを作るなら、ハヌマーンピュア専用エフェクト《スピードフォース》がオススメです。
●暴走しやすい。
精神が低くなりがちなので、クライマックスでの衝動判定が苦手=暴走状態=リアクション不能になりやすい。
それほどキツイものではないが、カバーリングやガードをコンセプトに入れているビルドの場合、意志技能を高めておく必要が出てくる。
●マイナーアクションを使う素手強化エフェクトや武器作成エフェクトの効率が悪い。
発動させたターンは、マイナーアクションを使っての戦闘移動ができなくなります。
他に移動か射程延長エフェクトを持っていないと、武器を作ったは良いものの攻撃に行けないという事態が発生します。
結局、余分なエフェクトにリソースを喰われる事になり、その分だけキャラクターの総合力が損なわれます。
そして、デメリットを補って余る程の威力もほぼありません。
カッコイイだけに残念です。
(エフェクトアーカイブ以降は、リミットエフェクト各種でかなりテコ入れされはしましたが、優秀ユニークアイテムには劣る性能効率に留まっています。残念。)
◆RCビルドの特性
RC:レネゲイドコントロール
平たく言うと魔法や術式や超能力的なやつ。
>判定ダイスが少なくなりがちで不安定。
>白兵には先手を取れるが、射撃には先手を取られる。
>上手にビルドすればミドルフェイズ戦闘での攻撃力を他に比べて確保しやすい(上手にしないと逆に弱い)。
>範囲攻撃が比較的得意。
>ほとんどは射程が視界。最長。
>比較的、侵蝕率効率が良い。
>武器が不用な為、財産点が余りやすいので、情報収集に有利。
>適正が高いシンドローム
エンジェルハイロゥ
バロール
ブラックドッグ
オルクス
サラマンダー
ハヌマーン
▼長所
●攻撃機会を逃しにくい。
射程が長いので移動の手間が無く、戦場内に死角が無い。位置取りも自由がきく。
初心者に易しい。
●攻撃時の侵蝕上昇を比較的低く抑えやすい。
効果に比べて侵蝕率上昇の低いエフェクトが多いです。
●武器の用意が不要なので、常備化ポイントを防具や情報収集に回せる。
また、ミドルフェイズでの立ち回り時に、いつでも武器を持ち歩く物騒さを気にしなくて良くなる。
●白兵や射撃には無いシーン攻撃エフェクトがある。
特にハヌマーンの《サイレンの魔女》は、使いこなすのにコツが要るものの、全エフェクト中でも屈指の強さを誇る。
他には、
エンジェルハイロゥ《スターダストレイン》
オルクス《雨粒の矢》
ブラックドッグ《フラッシングプラズマ》
サラマンダー《コキュートス》(上級)
等がある。
●RC技能を成長させて行くと、RC回避エフェクトの有効性も比例して高まる。
これが意外と便利。
ブラックドッグ《見えざる僕》《ハードワイヤード/RCブースター》
レネゲイドビーイング《オリジン:レジェンド》
オルクス《幸運の守護》
ウロボロス《浄玻璃の鏡》(インフィニティコード)
等
●精神が高いので、クライマックスフェイズ初頭の衝動判定に強い。
=暴走(リアクション不能)になりにくい。
●射程が長いおかげて、戦闘時の位置取りの自由度も高い。
仲間を守るカバーリングエフェクトの運用にも適性が高い。
●エンジェルハイロウの《光の手/感覚でRC判定》《100%:マスヴィジョン/攻撃力係数5》を絡めたビルドが強い。
火力確保&高行動値になり、射撃ビルド感覚でRCアタッカーの運用が可能になる。
▼短所
●侵蝕率が低いうちは、攻撃力を確保しづらい。
=特にミドルフェイズの戦闘が苦手。
《雷の槍》《雷神の鎚》コンボが使えるブラックドッグは例外。
Dロイス(上級)や、エフェクトアーカイブの追加データを使えば補う事は可能。
●作成時の能力値:精神を高くしづらいので、攻撃時のダイスが他のタイプと比べて少ない。
従って、攻撃判定の達成値が比較的安定しにくい。
ダイスを増やすエフェクトも性能が微妙なものばかりで冷遇されている。
●装甲無視エフェクトや攻撃力の高いエフェクトが限られるので、ビルドのパターンが狭い。
基本ルール環境では、サラマンダーの100%エフェクト《プラズマカノン》を絡めないと攻撃力低くなりがち。
●ガード無視エフェクトが無い。
高経験点環境では、アタッカーとして十全な活躍をできない恐れがある。
唯一、上級ルールブックのDロイス【変異種】から、モルフェウスの《ドッペルゲンガー》を利用すればガード無視が可能となる。
あとはサラマンダーの《紅蓮の衣》で対ガード攻撃力を高めるしかない。
◆射撃ビルドの特性
基本ルール環境では一番強くて使いやすいビルド。
行動値が高い為、先制攻撃をしやすい。
行動値が高い為、移動距離が長い。
適正の高いシンドローム
エンジェルハイロゥ
モルフェウス
ブラム=ストーカー
ノイマン
▼長所
●白兵やRCと比べ、攻撃力・射程・応用力のバランスが良い。
キャラデータが使いやすい。
●行動順が早い。
被害を受ける前に先制攻撃で敵の殲滅を狙える。
●範囲化、装甲無視、ガード無視、が可能。
将来的にもアタッカーとして不安が無い。
エフェクトアーカイブでは、ガード無視が白兵に比べて苦手に調整されました。
→エンジェルハイロゥのガード無視攻撃《光の剣》が隠密時専用に。
●武器作成エフェクトを入れても、射程が長いので移動エフェクトが不要。
●感覚技能の〈知覚〉は、ミドルフェイズで比較的使用頻度が高い。
見つけられるかどうかや、気づくかどうかなど。イージーエフェクトの使用時に有利な場面も多い。
▼短所
●精神が低くなりがちなので、衝動判定に弱い。
とは言え、リアクションができなくても大してこまらないので、影響は軽微。
●肉体が低い関係上、タイタス復活時のヒットポイント(=肉体+10)も低い。
普通に運用する分には大したデメリットではない。
だが、クライマックス戦闘で4や5など高レベルの邪毒(毎ラウンド12とか15ダメージ)を喰らうと、1ラウンド中にボスの攻撃と邪毒に二つタイタスが喰われるという大ピンチに陥る事がある(これはRCビルドでも同じ)。
●行動値は速いが肉体は低いので、ドッジ(回避)はまず無理。
ドッジ自体ほぼ使わないシステムなので問題はほぼ無い。
●行動値が高い=行動機会が多い=侵蝕率が上昇しやすい。
ダブルクロスは行動機会が多い=キャラロスト可能性が高い、となるので注意が必要です。
●射撃武器は全般的に白兵武器より攻撃力が低い。
そして攻撃力が高い射撃武器は大抵同じエンゲージに使えないので、移動エフェクトが別途必要になる。
近接エンゲージにも使えるナイフや拳銃を購入判定で入手しておくという対策もある。オート装備の為のウェポンケースも忘れずに。
●エフェクトアーカイブでは、他の攻撃タイプが強化されたのに〈射撃〉はむしろ下方修正された。
ミドルフェイズでの攻撃力の低さが際立つ形に。Dロイスでの強化がほぼ必須に。
◆交渉ビルドの特性
◆運転ビルドの特性
ヴィークルを使って戦うキャラです。マニアックな部類のキャラになります。
ヴィークルはそこそこの攻撃力とそこそこの装甲を兼ね備えた武装です。初期ビルドの単体攻撃アタッカーとして見るなら悪くありません。
しかし、範囲攻撃や装甲無視・ガード無視・攻撃力強化などの応用が難しく、汎用性に欠ける感が否めません。成長の伸び代もだいぶ悪いです。
はっきり言って白兵アタッカーの下位互換です。そもそもヴィークルを持ち込めないシーンも考えられます。
ヴィークルは〈運転〉で判定せずに、ハヌマーンの《一閃》と併用して白兵アタッカーが全力移動距離を伸ばすという使い方もあります。
◆支援ビルドの特性
四人パーティーに入って、毎ターンアタッカー三人に支援エフェクトを使えるならば、命中率の安定といった意味で存在価値が出てきます。必須の存在ではありません。
社会を高くしやすいので、情報収集やアイテム調達など、ミドルフェイズでの活躍も見込めます。
特に、侵蝕100%の全力コンボのダイスが9以下の仲間がいるときは、存在価値が高まります。
例を上げると、ハヌマーン《マシラのごとく》《サイレンの魔女》、ブラックドッグのRCアタッカー、サラマンダー《クロスバースト》等々で活躍したい仲間がいるときです。
HP回復エフェクト《癒しの水》は、ブラムストーカー《ブラッドバーン》や、サラマンダー《終末の炎》など、HPをコストにするエフェクトを使うアタッカーがいる場合は、大きな価値が出てきますので、支援キャラ導入の一考に値します。
結果的に命中や情報収集能力に難が出がちな、フルスクラッチレギュレーションでは、重要度が上がります。
支援でダイスやクリティカルが変動すると、初心者さんは対応が難しくなりますので、初心者さんが居るときはなるべく支援キャラはいない方がよいです。
適正の高いシンドローム
オルクス
ノイマン
ソラリス
ハヌマーン
caunserahomare.hatenablog.com
caunserahomare.hatenablog.com
◆ガードビルドの特性
パーティーに必須ではありません。
行動を攻撃に廻して早く敵を殲滅した方が、結果的にパーティー全体の損害を軽減できる場合がほとんどです。
ガード値を増し増しにすると、それに合わせてエネミーの攻撃力も上がるという、不毛なイタチごっこにもなりやすいです。
口の悪い人に言わせると、"GMの接待プレイがないと成立しないキャラ"になります。
とは言え、《マグネットフォース》《軍神の守り》《炎陣》《崩れずの群れ》《支配の盾》等々のカバーリングエフェクトを単品でも取得しておくのは、一見地味ですがかなりオススメです。
ロイスや侵蝕率に余裕があるキャラが、余裕の無いキャラクターを庇えるようにしておく事で、パーティー単位でPC達の生還率を向上させる事ができます。
GM時に専業ガードキャラと対する時はガードキャラの分、標準的なアタッカーが一人いると想定して戦闘バランス(ボスのHP)を組むと良いです。
ガードキャラのロイスは無理に削らなくて良いです。その分フルに動いてもらえるように、ダメージ量(少しHPダメージが通る可能性がある程度)や、攻撃回数を多目(3回前後)に調整します。
ロイスはあまり減らなかったけど、倒すのに時間がかかったから侵蝕率は高くなった…というバランスが落とし所になります。
ガードPCを使うときは弱くても良いので攻撃できる手段を一つ持っておくと、大分応用が効くようになるのでオススメです。
適正の高いシンドローム
キュマイラ
エグザイル
バロール
ブラックドッグ
サラマンダー